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よろずたうん本のレビュー。
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「私」は私立の女子高教師。
何もトラブルなく教師生活を送っていたつもりだけれど、ある日を境に命を狙われていることに気が付く。自分が狙われている原因は何なのか―――。
そんな不安を抱える中、同僚の教師が何者かに殺害され……。

次々と起こる殺人事件。
容疑者がいるのに動機が不十分だったりアリバイがなかったり。
主人公の教師・前島は自分が命を狙われているという不安に駆られつつも少しづつ事件の核心に近づいていきます。特にものすごい名推理をするわけでもなく、派手なアクションをするわけでもないのに主人公が核心に近づいていくプロセスは目が離せなくなります。
思わぬ犯人と思わぬ動機。彼を取り巻く女子高校生達。彼女達の行動にも伏線が張られていてラストでそこが明らかになったとき、全て納得いってしまうあたりさすがです。
主人公の命を狙っていたのは誰なのか、彼はどうなるのかが最後までわかりません。

たかがミステリー、されどミステリー。
最後のどんでん返しは必見です。

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言わずと知れた大阪・通天閣の周りに生活する人々の話。

44歳独身、自分の殻に閉じこもりな男。NYへ留学した恋人・マメを想い続けて飲み屋『サーディン』で働く女の子を中心に物語は進んでいきます。
2人それぞれを取り巻く人々がまた濃い。関西人でなくても、いるいるこういう人!!と思いたくなるぐらいリアルに人物が描かれています。

とある事件をきっかけに2人の人生が一瞬交錯する…というように2人の意外な関係が明らかに…。

西さんの作品は『さくら』『きいろいゾウ』に続いて読むのは3作目。
初めのうちは本の中で面白いように動き回る登場人物に楽しませてもらうんですが、いつの間にかその人達が抱える心の闇みたいなものを感じてしまい、いつも引き込まれてしまいます。
読み終わると「ほぅ…」としてしまう感じ。登場人物1人1人に感情移入してしまうんです。
きっと親しみを感じるキャラばかりだからなのでしょうけど。

小難しいのは…とかちょっと小説は苦手…って方にはおススメかもしれないです。
特に…女性にはおススメかな。

江戸・深川で古道具屋兼損料屋の『出雲屋』を経営する清次とお紅。
彼らが貸し出す道具はどれもいい品ばかり。ただ時々借り物から話し声がするということを除いては。
道具には付喪神が憑いていて―――。


大好きです。畠中先生の時代小説。
ほんのり甘酸っぱくて、ほっこりと温かい気持ちになれる。

今回の主人公、『出雲屋』を経営する2人だと思いきや実は道具に憑いている付喪神だったり。
彼らの見聞きしたものや、彼らが過去を振り返ることで清次とお紅の過去や2人に深く関わる人物が浮かびあがってきます。
本当に大切なものは何なのか―――。失いかけて気が付くこともあったり。
読み終わってやっぱり胸がいっぱいになってしまいました。

時代小説と言ってもかたくるしいことは一切なく、すんなり読める作品だと思います。
ま、1番のおススメ理由は「付喪神」達がかわいいことこの上ないッ!!!

2008年版『このミステリーがすごい!』第2位の作品です。

紅緑村において絶対的な権力を持つ赤朽葉家。
時代が変わっていく中でその赤朽葉の名の中で激動の人生を送った女達の物語―――。

と言うのでしょうかね?
あらすじと言うのはとても語れません、この作品。
赤朽葉万葉、毛毬、瞳子……この3代にわたる1つの物語。
戦後の万葉の時代から始まり、現代の瞳子へ。
最初「ん?これは…ミステリー?」と思いつつ読み始めたのですが。
3代目瞳子の章になってから一気に展開のスピードが加速していくのです。

もちろんこの3人だけの登場人物だけではなく赤朽葉家の一族やそれを取り巻く人々……。
様々な人の人生が絡み合ってこの1つの作品が出来上がっているのだなと読み終わってから気づきました。
この作品、一度読んで結末を知ってからもう一度読み直すと様々な伏線が張られていて奥が深いってことが分かります。

ものすごく読み応えのある作品。
どっしりと腰を落ち着けて読むのにおススメです。

2007年本屋大賞第2位になった作品。

う~むどうレビューを書いてよいのやら。
一貫した物語ではないんです、この作品。でも短編集でもない。
けど、作品に一貫性がある……わかんないっすね(苦笑)。

物語は主人公である『黒髪の乙女』と『先輩』が交互に語るような形で展開していきます。
同じ出来事でも『乙女』と『先輩』との目線では全く違う出来事に見えるのだから不思議。

2人を取り巻く人々もまた魅力的。老若男女様々な人が出てくるのだけど、みんな素敵に生きてる。
もちろん主人公2人も魅力的。パンツ総番長に樋口さん、李白さん……。
どこまでもマイペースで誰からも好かれる『乙女』。その『乙女』が大好きで妄想力にあふれた先輩(笑)。
心を2人にガシッとつかまれたような気分です、もう。

現実味があるようでないような……。京都を舞台に繰り広げられる物語。
読み終わるとほっこりした気分になるのはもちろん、何故か京都へ無性に行きたくなります。

おもしろい、心温まる話をお探しの人。モリミーワールドを覗いてみるのもいいかも知れませんよ。



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プロフィール
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知之介&陸
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非公開
自己紹介:
某グループの会報を通じて知り合った、知之介と陸。
妙に意気投合し、友達になりかれこれ10年近くが経ち、今も尚絶妙なバランスを保っている。
現在、共同でホームページ『よろずたうん』を運営中。
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