京都・糺ノ森に住む狸の一族、下鴨家。
母と父・下鴨総一郎の血をひく矢一郎・矢三郎・矢四郎。そして井戸の中に住む矢二郎。
楽しく暮らす一家。しかしそこに父・総一郎の姿はなく―――。
またまたハマってしまいましたモリミーワールド。
主人公達は狸&天狗&人間。この三者の関係が上手く絡まっていて実に面白い。
しかも、微妙に『夜は短し――」などの他の作品にリンクしていてこれがまた面白い。
何かシュールと言うか、思わず笑ってしまう場面もあり。
かと思いきや、父・総一郎の死の真相などのちょっとした謎解き(?)もあり読み応えがある作品だと思います。
父がなくなる日最後に残した言葉とはなんなのか―――。
下鴨一家の阿呆物語を読みたいと思った方は是非に。
]]>これ、毎度のことながら読んだほうが早いです。
文章で説明するのは本当、難しい。
これ読むまで正直『文楽』ってよく分かりませんでした。ってか今も正直よく分かりません。
けど、何でだろうなぁ…読み終わった後に「見てみようかなぁ…」って気分にさせてくれるんです。
きっと劇場に行ったら銀大夫や健、兎一郎に会えるような気がしてしまうんです。
なんせキャラが個性的。
1人1人がこう繋がってないようで繋がっている……。
自分には珍しく、2日間で読みきってしまいました。
それぐらい登場人物が魅力的な作品。
『文楽』って良く分からん!って方でも、感情移入できるし読みやすい作品だと思います。
]]>……と、これだけじゃ何の話かさっぱりだよって感じですけどね(苦笑)。
ここから先は実際に読んだほうがいいと思います。
昔から知っている友人から突然殺人犯したと告白されて戸惑う哲朗。
自分達はいつまでも昔のまま…と思っていても10年という月日はとても長く…。
自分がもしそうだったとしたら……。なんて考えてしまってみたり。
10年ぶりに会った美月の変貌ぶりにも驚きですが、それに翻弄される哲朗、全てを知ってなお美月を守ろうとする仲間。
ちょっとストーリー内容が重く、読み終わった後に引きずるタイプの小説ですが#%D:225%#
たかがミステリー。されどミステリー。ラストまで目が離せません。
ある日、町の外れにある「水無月橋」で1人の男の死体が見つかる。
その男は1年前に失踪した男だった。何故、彼はそこで殺されたのか―――。
ただのミステリー作品と思う無かれ。
最後まで全くと言って良いほど犯人が読めない展開でした。
彼は何故その町にいたのか、何故殺されることになったのか?
容疑者は?とそれに囚われていると色々張り巡らされた伏線にも気づきませんよ(笑)。
また、ラストシーンの情景がきれいです。
「ほぅ……」と一気に読みきってため息をついてしまうぐらい。
まさに恩田ワールド。いつの間にか惹き込まれていました。
ページ数は多いけれど、どっぷりと読み込みたい方にはおススメです。
]]>構成はいつもとタイトルと同じ『いっちばん』を含めたいくつかの短編からなっております。
もう、ここまで来ると一太郎だけでなくこのシリーズに出てくる皆に愛着が湧いてくるのが不思議ですね。
「ひさしぶり♪どうしてた?」と声を掛けたくなってしまうくらいです。
また、話の中で皆がよく動く、動く。それが誰かのためを思ってやっていることだったりするから心がほっこりするんです。
個人的におススメなのが『餡子は甘いか』。
これは、修行に出た一太郎の幼馴染栄吉の話。
栄吉…修行先でも頑張っているんだねぇ。美味しい菓子が作れるようについ応援したくなります。
神田で袋物屋「三島屋」を営む伊兵衛。
ある日伊兵衛は姪のおちかを預かることになります。
このおちか、実家である川崎宿の旅籠から来たのだがそこから来たのには理由があり―――。
現在続編(?)が読売新聞で掲載されているこの作品。
伊兵衛がおちかに用意した「黒白の間」そこで話される百物語。
そこで話される不思議な話にどんどんと魅せられていってしまいます。
そして、おちかが川崎宿から神田に来た理由。
一見、妖(あやかし)の話の様に思えますがそこには様々な人の思いが詰まっています。
最終話『家鳴り』という話には泣きました、正直。
現代物ではありませんが、読みやすいです。
是非おススメですよ。
タイトルからみるとちょっとファンシーなイメージもありますが、中身はもっと現実的。
この話は最初にこのスミオとジュリアの2人にどのような未来が待っているのかが描かれているんです。
それが描かれた上で2人の出逢いや様々な出来事が巻き起こる。
描かれた未来に向かって2人がどう歩んでいくのか。その過程には胸がつまるものがあります。
どんな逆境にも全力でぶつかっていこうとする2人。特にスミオはジュリアと出会ってから『人間』になっていくような気がするんです。
ただのラブストーリーと思ってはいけません。
けれど、物語背景が現代であるのでリアル感がとてもある作品です。
なぜ『親指の恋人』なのか。それは物語を読んでいけばわかります。
個人的には畠中先生の本で現代モノを読むのは初めて。
どんなもんだろ~と正直半分期待、半分疑い(?)って言うのかな…な気分で読み始めました。
いや~。
現代も関係ないですね。畠中節炸裂!!
いくつかの厄介ごとを通して聖の成長する姿がほほえましい。
雇い主の議員との掛け合いも面白い。
何と言っても聖の設定。元ヤンキー!!それがちょっとしたところで役に立つのがまたいいんです。
こうちょっと時間が出来た時にサクっと読める感じがいいですね。
活字はちょっと…と言う方にもおススメかも。
それぞれ別の短編かと思いきや微妙にリンクしていて自分もその電車に乗っているかのような
錯覚に陥ってしまいます。
有川先生作品に多いベタ甘な話ばかりではなく、大人から子供までが主人公。
リアル感バッチリです。
関東圏に住んでいる自分としては、阪急電車は分かるものの駅名や景色はさっぱり。
けれど、これを読んで今津線に乗ってみたくなりました。
そのためには大阪に行かなきゃいけませんね(苦笑)。
読み終わった後に心が温かくなる作品です。
舞台は戦国の世。
秀吉がじわりじわりと天下統一を目指し準備をしている時。
石田三成が2万の軍勢を引き連れても唯一、攻め落とせない城があった。
その名は忍城(おしじょう)。湖の中にそびえることから別名『浮城』と呼ばれていた。
その城代、成田長親。「のぼう様」と呼ばれ皆に愛される城代だった―――。
と、言うところでしょうか。
歴史小説(になるんでしょうね)は若干苦手な人としては構えて読み始めたのですが。
そんな構えなんて吹き飛ばすほど面白い作品です。
もう、この城代「のぼう様」がとても魅力的。一見何も考えてないように見えて熱い男。
けど、どこか抜けている。みんなが放っておけない愛らしい存在。
戦の最中なのに笑ってしまうシーンがあるぐらい。
また、のぼう様に使える侍達も魅力的。
のぼう様に対して一斉にツッコミを入れる様はもう笑いが止まりませんでした。
家来達も百姓も、のぼう様に惹かれている―――。
この「のぼう様」の魅力を知りたい方は是非おススメです。
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